ENJA 欧州日本ネットワーク
EUROPEAN NETWORK OF JAPANESE ASSOCIATIONS


2005年は日本EU市民交流年と名付けられ、EU諸国において多彩な行事が行われました。ENJAの種は、この年に蒔かれたものです。
デンマーク日本人会は交流年の特別行事として、5月8日にフューン島の美しいEgeskov城を舞台にNippon Fest・日本文化の日を催し、デンマークの人々に日本を知ってもらう機会を持ちました。また、10月23日にはKoldinghus博物館で開催中の江戸展を見学、姉妹都市の交流などについてお話を聞きました。そして最後の行事として、11月19日に欧州各地の日本人組織8団体の協力を得て、第一回欧州日本人会連絡会を目指す会を主催しました。

会合の最後には将来の発展を期待して、下記を発表しました。 

第一回欧州日本人会連絡会を目指す会・まとめ


私達は、本日11月19日コペンハーゲンにおいて、デンマーク日本人会のイニシアティブによる欧州日本人会連絡会を目指す会に出席し、意見交換を行いました。
この連絡会を通じ、情報およびノウハウの交換をすることにより、それぞれの会の活動が更に充実すると確信するに至りました。
加えて、ヨーロッパの諸国がEUという枠内で動いている現在、各国の日本人会の活動も、将来は国境を越えたものなっていくであろうと考えます。例えば、各国日本人会のサービスを共有することにより、より安全で充実した生活が可能となることでしょう。
この会合が、こうした発展の先駆けとなることを願う気持ちを確認しあい、この主旨が今回出席されなかった各国にも拡大していくことを期待しつつ、本日のまとめとして発表致します。

上記の目的でネットワーク作りを検討して行くために、次回集会開催をロンドン日本人クラブに依頼致します。
   オランダ(在蘭邦人連絡会、 カモメの会、 欧州日経ネット、 日蘭シルバーネット)、
   スコーネ日本人会(スウェーデン)、 デンマーク日本人会

発展の経過 


2005年にデンマークから発足し、2019年には第9回目の集会が、ドイツハイデルベルグで行われました。そこでは取り扱いテーマも分科会1、高齢者介護、健康保持関係(認知症に焦点)と分科会2、継承語としての日本語教育の二本立てとなり、合計57名の参加を得て大成功を収めました。(ハイデルベルク会議議事録)

なお次回は2021年を目指し、オランダを開催国とするべく、検討中です。

将来への期待


デンマーク日本人会が2005年に声を上げて以来14年近く、その間9回にわたって欧州各国の日本人組織が一堂に集まる機会を得ました。当初から話し合いのテーマは在欧邦人の高齢化にまつわる対策に焦点があてられてきました。欧州に滞在する邦人の数は1960年代、70年代に急激に増加しました。欧州における生活を続けた邦人が、すでに人生の末期を迎えています。余命を異国でどのように過ごしたいのか、どのような末期を迎えたいのか、深刻に心準備する時期に突入しています。

同時に第6回目のスイス、ベルンでの会合の際、在欧邦人の子弟の日本語教育にも関心が促され、7回目パリ会議は日本語教育をテーマとして扱いました。成長期の一部、あるいは生まれてから成人するまでの期間を終始非日本語圏で過ごし、同時に日本にある自分のルーツを意識し、愛しみ続ける世代に対する思いやりであり、また次の世代にも私たちの持つ日本の背景を理解してほしいとの、私たちの希みの表れでもあります。

この二つの広い分野の他にも、在欧邦人の関心事は数々あることでしょう。例えば二重国籍の容認を求めて、請願運動も行われており、ENJAの積極的賛同も促されています。

ENJAの歩み

第9回会議 2019年6月2~4日 開催地:ドイツ、ハイデルベルク 
Green Guest House MIDORI, Dossenheimにて、二つの分科会を並行して扱う。両分科会とも日本、アメリカより講師数名を含む参加。分科会I:在欧邦人の健全な生活、高齢者関係を含む。8ヵ国、21団体、32名。分科会 II:継承日本語教育。10ヵ国20団体、25名。 
参加団体(敬称略・順不同):
英国日本人会 Japan Association in the UK(イギリス)、 デンマーク日本人会(デンマーク)、 Klub Japan(デンマーク)、 Stichting Japanese Helpdesk・ 公益財団 在蘭邦人相談窓口(オランダ)、 財団法人 日蘭シルバーネット(オランダ)、 パリプチ幼稚園(フランス)、 邦人健康サポートの会(フランス)、 でこぽんクラブ(発達障害児と家族を支える会)(フランス)、 公益法人文化を配慮した介護 DeJaK-友の会 (ドイツ)、 竹の会e.V.(正式名:ドイツ非営利公益登録社団法人 デュッセルドルフ 交流サポートセンター「竹」) (ドイツ)、 ライン・マイン友の会 Rhein-Main Tomonokai e.V. (ドイツ)、 公益法人 まほろば (Mahoroba e. V.) (ドイツ)、 「ミュンヘン友の会」公益法人日本人の老後を支えるネットワーク (ドイツ)、 公益法人 ライン・ネッカー友の会 Rhein-Neckar-Tomonokai e.V.(ドイツ)、 Care Team Japan (スイス)、 ロンドン補習授業校 (イギリス)、 アイルランド日本語補習校(アイルランド)、 コペンハーゲン日本人補習学校(デンマーク)、 パリ日本語補習校(フランス)、 リヨン補習授業校(フランス)、 日本語空間「わらく -Walack-」 (仮称)(ルクセンブルグ大公国)、 バルセロナ日本語補習授業校(スペイン)、 共益法人 ハンブルク日本語補習授業校(ドイツ)、 ベルリン日本語補習授業校(ドイツ)、 共益法人 ベルリン中央学園補習授業校 (ドイツ)、 デュッセルドルフ日本語補習校 (ドイツ)、 フランクフルト補習授業校(ドイツ)、 ハイデルベルク日本語補習授業校(ドイツ)、 子ども日本語クラブでんでんむし(ドイツ)、 フランクフルト継承日本語教室『陽だまり』(ドイツ)、 ジュネーブ日本語補習学校(スイス)

第8回会議 2017年5月18日~20日 デンマーク日本人会主催 開催地:デンマーク東海大学ヨーロピアンセンター
「在欧邦人の健全な生活と今後」をテーマに計17名、7団体が 参加。1日目は、デンマークの高齢者施設訪問で始まり、午後は、2つのテーマでドイツとスイスから各団体の在邦人向けの活動についての発表があった。2日目は、欧州医師会のデンマーク在住・岡本医師によるデンマーク医療事情と欧州医師会についての講演があった。

第7回会議 2015年9月 在仏日本人会主催 開催地:パリ
「次世代への日本語教育」をテーマに欧州各国の日本語補習授業校14校が集い、現在抱えていている補習授業校の問題や解決策について討論された。日本から、公益財団法人海外子女教育振興財団理事長も参加された。24団体、31名参加。会の名称を再度検討の結果、現在のENJA, European Network for Japanese Associations と合意。

第6回会議 2013年6月 スイスケアチームジャパン主催 開催地:ベルン
主なテーマは、邦人社会の高齢化について。18団体、20名参加。

第5回会議 2012年6月 英国日本人会主催 開催地:ロンドン 
EUに属さないスイス、ケアチームジャパンの参加を機会に、EUを超えて「欧州」単位で会の活動を進めることになる。また、日本人会という枠を超えて広く会の目的に賛同する団体と交流を広げていくことから、会の名称を「欧州日本人連絡会」と改めた。参加団体は、5団体。

第4回会議 2008年5月30日 元在蘭邦人連絡会運営委員、共催・在蘭日本商工会議所主催 開催地:アムステルダム 
「EU日本人会連絡会を目指す会・開催議題に関わるアンケート」回答結果発表。会の名称をEU日本人会連絡会と改称。7団体参加。

第3回会議 2007年11月16日 ベルギー日本人会主催 開催地:ブリュッセル 
会の名称を「EU日本人会連絡会を目指す会」とする。6団体参加。

第2回会議 2006年5月31日~6月1日 日本クラブ主催  開催地:ロンドン
第1回の会議開催国デンマーク日本人会のホームページの一部を使って今後の連絡の場として提供すること、各国日本人会へのアンケート立ち上げの起案。5団体参加。

第1回会議 2005年11月19日 デンマーク・コペンハーゲン
第一回目の呼びかけ会議開催。参加団体は、8団体。


関連団体
在蘭邦人連絡会(オランダ)
カモメの会(オランダ)
欧州日経ネット(オランダ)
日蘭シルバーネット(オランダ)
日本クラブ(イギリス)
ポーランド日本人会(ポーランド)
ベルギー日本人会(ベルギー)
スコーネ日本人会(スウェーデン)
デンマーク日本人会(デンマーク)
日本クラブNippon Club(イギリス)